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大和物語、百三十四段「あはぬ夜も」の話をします。

大和物語、あはぬ夜も
 まず、原文と、現代語訳を示します。
百三十四 あはぬ夜も
先帝の御時に、ある御曹司に、きたなげなき童ありけり。帝御覧じて、みそかに召してけり。これを人にも知らせたまはで、時々召しけり。さて、のたまわせける。
あかでのみ経ればなるべしあわぬ夜もあふ夜も人をあはれとぞ思ふ
とのたまはせけるを、童の心地にも、かぎりなくあはれにおぼえければ、しのびあへで友だちに、「さなむのたまひし」と語りければ、この主なる御息所聞きて、追ひいでたまひけるものか、いみじう。
(現代語訳)
先帝(醍醐天皇)の御時に、ある御局に、綺麗な女の子が居た。帝が御覧になって、ひそかにお召しになった。この事を人にもお教えなさらず、時々お召しになった。そして、帝が仰(おお)せになった。
(短歌)ゆっくり逢う事が出来ず、飽き足らない気持ちでばかり過ごしているからだろう。逢わない夜も、逢う夜も、君の事をしみじみと可愛いと思っている。
と仰せになったのを、少女の心にも、限りなく嬉しく思ったので、隠しきれず友達に「帝が、この様におっしゃったのよ」と話したので、この女の子の主人の御息所が聞いて、追い出しなさったのだった。酷い事に。
 この話は、帝がひそかに少女に逢う話で、なかなか面白いと思います。ただ、少女の友達が、この事を主人である御息所(天皇の妻)に話してしまったばかりに、少女は可哀想な事に追い出されてしまいます。これはこれで面白いんですが、ただ、あまりにも酷すぎる気がします。御息所の反応は、帝の妻である自分を差し置いて、帝が少女と逢ってるんですから、当然の反応だと思います。少女の友達に悪意はなかったと思いますが、私は、少女の友達は軽々しく話しすぎる気がします。この話の真偽は分かりませんが、いずれにしても、魅力的な話ではないでしょうか。ここまで読んでくださいまして、ありがとうございました。

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