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とりかへばや物語 あらすじ、解説

とりかへばや物語 1
 今回は、とりかへばや物語について話します。よろしくお願いします。まず、とりかえばや物語は、どう言う物語かを、簡単に説明します。左大臣家の、二人の子供、兄と妹が主人公です。妹は、天皇の妻、中宮になり、女性として最高の地位を極めます。兄は、大臣になり、臣下として最高の地位を極めます。基本的に、ただそれだけの物語です。とてもシンプルな物語です。ですけれど、最初、男女が入れ替わっていました。妹は、男の格好、兄は、女の格好をしていた訳です。外見と性別が違うので、途中で物事が上手く行かなくなります。途中で、二人は、入れ替わり、外見と性別が一致して、物事が上手く行くようになると言う物語です。では、ここから、あらすじを言っていきます。この絵は、主人公の左大臣家の子供の一人、妹の若君です。狩衣を着て、髪は背丈に少し足りない位の長さです。性格は活発で、漢詩、和歌、琴、笛を得意にしています。
とりかへばや物語 2
 この絵は、もう一人の主人公、左大臣家の嫡子、兄の姫君です。袿(うちき)を着て、髪は背丈より少し長い長さです。性格は内気で、家に引きこもり、絵を描く事、雛遊びを得意にしています。
とりかへばや物語 3
 若君は、元服し、大夫の君、侍従、三位中将、権中納言と昇進して行きます。ここからは、若君(妹)を中納言と呼んでいきます。中納言は、右大臣の娘、四の君と結婚します。この絵の、左が中納言、右が四の君です。中納言は女なので、女同士の結婚になります。なぜ結婚する事になったかと言うと、四の君の父の右大臣が結婚を申し出たからです。しかし、しばらくして、中納言の親友である宰相中将が、四の君を寝取ってしまいます。宰相中将について説明します。宰相中将は、式部卿宮(しきぶきょうのみや)の御子です。四の君は、宰相中将の子供を妊娠してしまいます。だから、四の君は思い沈んでいる訳です。中納言は、四の君の身を案じています。中納言は、四の君が妊娠した事が分かり、相手は宰相中将に違いないと思うのですが、確信を得る事ができません。
とりかへばや物語 4
 一方、姫君(兄)は、裳着をし、尚侍として東宮に宮仕えする事になりました。ここからは、姫君を尚侍と呼んでいきます。東宮は、女性です。なぜ、帝の跡継ぎである東宮が女性なのかと言うと、当時、帝には、跡継ぎの男子がいませんでした。ですので、先帝の御子の女一の宮が、仮の役職として東宮になっていました。この絵の、左が東宮、右が尚侍です。尚侍は、夜伽(よとぎ)をしていました。いずれ、東宮と尚侍は、色々話をしている内にお互いに好きになり、男女の性的な関係を結ぶ様になります。東宮に、尚侍が男である事がばれてしまうのですが、東宮は、その事を二人だけの秘密にしました。しばらくして、東宮は妊娠します。
とりかへばや物語 5
 一方、中納言(妹)は、妻の不倫の件で世の中が嫌になり、吉野山の宮に会いに行きます。この絵の、右の人物が吉野山の宮です。吉野山の宮について説明します。吉野山の宮は、先帝の第三皇子です。ここから、吉野山の宮を、「宮」と呼んでいきます。宮は、特に優秀な人物でした。この為、唐土で留学をしていました。唐土の大臣は、娘の婿になって欲しいと申し出て、宮は、それを承諾しました。宮と妻の間に、二人の娘を持つ様になりました。しかし、しばらくして、宮は、妻に先立たれてしまいます。舅の大臣も亡くなってしまいます。他の大臣や公卿から、娘の婿になって欲しいと申し出があったのですが、宮は、再婚するつもりが無く、その話を断りました。すると、逆恨みして宮を亡きものにしようとする者が現れ、その噂を聞いた宮は、二人の娘を連れて逃げる様に帰国しました。しかし、しばらくし、宮が謀反の心を持っていると言う噂が流れ、宮は、吉野山に行き出家をしました。その後、宮は、吉野山の宮と呼ばれる様になります。中納言は、吉野山の宮の噂を聞き、吉野山の宮に師事する様になりなりました。
とりかへばや物語 14
 この絵は、吉野山の宮の娘の姉宮です。中納言は、吉野山の宮の姉宮と仲良くなります。しばらくして、中納言は帰京します。
 中納言の親友である宰相中将は、中納言が好きでした。しかし、宰相中将も、男同士で親友以上の間柄になる、つまり、恋人同士になる事は、避けたかった訳です。
 そこで、宰相中将は、中納言にそっくりと噂の尚侍の所に詰め寄り、自分の恋心を訴えます。尚侍は、「物忌みが終わると父君も中納言もこちらに来るでしょうから、このままでは困ります。もし本当に深い愛情があるのでしたらここを立ち去り、『志賀の浦の風』のように私に文を下さいましたら、どれほど嬉しい事でしょう」と、宰相中将に言います。宰相中将は、しぶしぶ、その場を立ち去ります。しかし、その後、尚侍からの手紙は、いくら待っても来ません。宰相中将は、尚侍に完全にだまされてしまった訳です。宰相中将は、尚侍に振られてしまった訳です。宰相中将は、男に振られてしまったと言う事になります。
とりかへばや物語 6
 この絵の、左が宰相中将、右が中納言です。宰相中将は、中納言と親友以上の間柄になる、つまり恋人同士になる事は、男同士だからと言う事で、どうしても避けたかったのですが、ある日、どうしても我慢が出来なくなります。それは、どうしてかと言うと、中納言は、夏暑かったからと言う事で上着を脱いでいました。そうすると、衣の下に中納言の細い体があらわになって、宰相中将は、理性が飛んで中納言に抱き付いてしまいます。すると、宰相中将は、中納言が実は女である事に気付いてしまいます。宰相中将は、嫌がる中納言に対して、無理やり性的な関係を結びます。その後、宰相中将は、中納言に対して、何度も何度も性的な関係を結びます。いずれ、中納言は妊娠してしまいます。
 三月一日、帝は、南殿でお題を基に詩を作る桜の宴を催します。そこで、中納言は、素晴らしい詩を作り、帝から御衣を賜わります。その夜、管弦の宴が行われ、中納言は、素晴らしい笛の演奏を行います。その後、中納言は右大将に、宰相中将は権中納言に昇進します。ここからは、中納言を右大将、宰相中将を権中納言と呼んでいきます。右大将は、男装なのに、妊娠している為、腹がどんどん大きくなって、このままでは居られなくなります。ですので、右大将は、京から失踪する決意をしました。
 一方、四の君は、権中納言の子供の姫君を出産し、権中納言の二人目の子供を妊娠していました。右大将は、四の君に会い「もしこの世から私がいなくなったら、可哀想だと思ってくれますか」と言い、別れを仄(ほの)めかします。結局、これが、右大将と四の君の最後の別れになります。
とりかへばや物語 7
  この絵の、左が右大将、右が権中納言です。右大将は、権中納言を頼るしかありませんでした。右大将は、権中納言を頼って宇治で出産すると言う道を選びます。宇治で、権中納言は、右大将の男装を解かせて、女性の格好にさせます。当然、右大将は、あわよくば、ずっと男装を続けようと思っていたのですが、それが叶わなくなったので、塞いでいる訳です。
 京では、右大将が失踪した事が分かり、大騒ぎになります。その事を聞き付けた尚侍は、自ら女装を解き、男の格好をして、右大将を探しに行く決心をしました。ここからは、尚侍を男君と呼んでいきます。男君(兄)は、宇治に行き、右大将(妹)とおぼしき女性を見付けるのですが、スルーしてしまいます。なぜかと言うと、男君は、それが自分の妹だと言う確信が無かったからです。
 男君は、右大将が吉野山の宮の所を終の住処に決めていると言う噂を聞いて、吉野山の宮を訪ねました。男君は、吉野山の宮に、自分が右大将の兄であり、右大将が行方不明になっている事情を説明しました。吉野山の宮は、右大将がここに何度も来ていて、最後に来た四月一日頃に、七月の終わりには必ず連絡すると言っていた事を、男君に伝えました。男君は、右大将が約束をたがえる事は無いからと言って、ここで待つ事にしました。男君は、吉野山の宮に師事し漢籍を学びました。今まで女として生きてきた男君は、男としての嗜みを学ぶ訳です。ここからは、右大将を女君と呼んでいきます。女君(妹)は、男の子を出産します。女君は、吉野山の宮に手紙を出します。
とりかへばや物語 8
 この絵の、左が女君、右が男君です。手紙を見た男君は喜び、女君が居る宇治へ行き、権中納言の不在の中、女君と再会を果し、互いに涙を流します。男君は、女君に「私に代わって尚侍として暮らしたらどうですか。」と言い、自分と立場を入れ替える事を勧めます。その夜は、明け方近くまで兄妹で語り合います。男君は、父の左大臣が、失踪した娘を心配して臥せっているからと言って、女君を連れて帰らず、一旦京へ帰ります。
とりかへばや物語 9
 女君は、権中納言(元の宰相中将)から逃げると言う道を選びます。出産した男の子は、乳母に任せて宇治に置いて行く決心をしました。迎えに来た男君に手を引かれ牛車に乗り込み、権中納言が居ない中、京に帰りました。権中納言は、突然愛している女君が居なくなった事が分かり、非常に悲しみます。
とりかへばや物語 10
 男君と女君は、京の父左大臣の許に戻りました。この絵の、右が左大臣、真ん中が男君、左が女君です。左大臣は、男君に「息子よ、今後は右大将として宮仕えをしなさい。」と言います。男君と女君は、お互いに自分の立場を入れ替え、男君は右大将に、女君は尚侍になります。ここからは、男君を右大将、女君を尚侍と呼んでいきます。
 右大将(兄)は、四の君に会います。右大将(兄)は、四の君とは初対面であり、いきなり夫婦として付き合うのは不可能に近い状況ですが、上手く立ち振る舞います。
 一方、尚侍(妹)は、東宮と会います。東宮は、尚侍が入れ替わったいた事に気付いていませんでした。尚侍は、兄と入れ替わった事を隠したまま、東宮と付き合うのは不可能と考え、全てを東宮に打ち明けるつもりでしたが、決心出来ずにいます。尚侍は、しばらく、東宮と嘘を交えつつ取り繕いながら付き合っていました。尚侍は、兄の右大将を東宮に引き会わせます。東宮は、右大将(兄)の子供を妊娠していました。右大将は、自分と妹が入れ替わった事情を説明し、東宮は全てを理解します。東宮は、右大将が妊娠している自分を見捨てて、遠くに行ってしまった事が分かり打ち沈みます。その晩、右大将は、東宮と語り合います。
とりかへばや物語 13
 ある夜、帝は、尚侍に夜這いをします。この絵の、左が帝、右が尚侍です。なぜ、帝が尚侍に夜這いしたのかを説明します。帝は、右大将が好きでした。しかし、男同士で愛し合うのは避けたかったので、代わりに、尚侍を好きになりました。つまり、権中納言(元の宰相中将)と理由は一緒です。また、帝には、まだ世継ぎの男子が居ませんでした。ですので、どうしても世継ぎの男子が欲しかったからです。
 右大将は、吉野山の宮の姉宮と結婚します。右大将は、吉野山の宮の姉宮を正妻として迎えます。右大将は、麗景殿の女とも結婚します。麗景殿の女とは誰かを説明します。麗景殿の女は、麗景殿の女御の妹です。尚侍(妹)が、まだ男装をしていた時に、麗景殿の近くで、お互いに短歌を取り交わした事が切っ掛けで密かに付き合っていました。右大将(兄)は、尚侍(妹)に麗景殿の女の事を頼まれていました。
 権中納言は、右大将が取り持って、吉野山の宮の妹宮と結婚します。尚侍は、帝の世継ぎの男子の若宮を出産します。
右大将は右大将兼任の内大臣に、権中納言は大納言に昇進します。若宮は、東宮に決まり、尚侍は、女御になり、後に中宮になります。中宮は、東宮に引き続き、二宮、三宮、内親王を産みます。中宮は、皇室の繁栄に貢献します。内大臣は左大臣兼任の関白に、源大納言は内大臣に昇進します。内大臣(元の宰相中将)は、宇治の橋姫(今の中宮)が生んだ若君を見て、「どんな気持ちでこの子を見ず知らずのまま行方を絶ってしまおうと思ったのだろう。」と思い、悲しみます。物語は、ここで終わっています。貴方は、この物語をどう思ったでしょうか。教えて頂けたら幸いです。ここまで、読んで下さいまして、ありがとうございました。
 登場人物のセリフは、たまさんのホームページ「かたかご」(http://yamanekoya.jp/index.html)のとりかへばや物語、現代語訳から、許可を取って、使用させてもらっています。
 私の、とりかへばや物語、全体の感想は、ここ(http://t7362871.web.fc2.com/torikaebaya_kansou.htm)に記載しています。
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