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秋好中宮について話します。

秋好中宮
 今回は、源氏物語の姫宮、秋好中宮(あきこのむちゅうぐう)について話します。よろしくお願いします。秋好中宮とは、どう言う人物なのかを説明します。秋好中宮は、六条御息所(ろくじょうのみやすんどころ)と、前春宮(さきのとうぐう)の間に生まれた娘です。春宮は、今で言う皇太子です。春宮は、すでに亡くなっています。ですので、前春宮になります。秋好中宮は、以前、斎宮でした。斎宮は、皇族で未婚の女性がなる伊勢の神に仕えるお役目です。斎宮は、6年間の役目を終えられ、京に戻ります。六条御息所は、自分の命がいつ終わるとも分からない状態になります。六条御息所は、我娘である前斎宮を、源氏に養子として扱って欲しいと頼みます。源氏は、それを承諾します。六条御息所は、7、8日後に亡くなります。前斎宮は、源氏の働きにより、冷泉帝に入内(じゅだい、結婚)して、斎宮女御になります。斎宮女御は、絵を描く事が得意です。冷泉帝は、絵にとても興味があり、斎宮女御をとても気に入ります。
 斎宮女御は、後に秋好中宮と呼ばれる様になります。そのエピソードについて話します。そのエピソードは、薄雲の帖にあります。この絵の、奥の女性が斎宮女御、手前の男性が源氏です。六条御息所は、娘の事を源氏に頼むと言った訳ですが、「ましてや、ご寵愛の人のようになるにつけても、つまらない嫉妬心が起こり、他の女の人からも憎まれたりなさいましょう。嫌な気のまわしようですが、けっして、そのような色めいたことはお考えくださいますな。」(澪標の帖)と言った訳ですよ。ですけれど、源氏は、その事は言う事を聞かなかった訳ですね。源氏は、斎宮女御に対して、「このように帰って来て、朝廷のご後見致します喜びなどは、それほど心に深く思いませんが、このような好色めいた心は、鎮めがたくばかりおりますが、並々ならぬ我慢を重ねたご後見とは、ご存知でいらっしゃいましょうか。せめて同情するとだけでもおっしゃっていただけなければ、どんなにか張り合いのないことでしょう。」と言って自分の恋心を仄(ほの)めかし、男女の仲として付き合おうとします。当然、斎宮女御は、入内して、天皇の妻なので、そう言う事は出来ない訳ですよ。だから、斎宮女御は、源氏の事を浅ましく思い、この様に明らさまに嫌な顔をしている訳です。斎宮女御は、源氏の男女の仲として付き合おうとする事に対して、基本的に無視をする訳ですね。源氏は、このままでは斎宮女御が何も言わないからと言う事で、「狭い邸の中だけでも、その季節の情趣が分かる程度に、春の花の木を一面に植え、秋の草をも移植して、つまらない野辺の虫たちを棲ませて、皆様にも御覧に入れようと存じておりますが、どちらをお好きでしょうか。」と言って話題を変えます。斎宮女御は、「まして、どうして優劣を弁(わきま)えることができましょうか。おっしゃるとおり、どちらも素晴らしいですが、いつとても恋しくないことはない中で、不思議にと聞いた秋の夕べが、はかなく(母が)お亡くなりになった露の縁につけて、自然と好ましく存じられます。」と答えます。この事から、斎宮女御は、後に秋好中宮と呼ばれる様になります。源氏物語の中には、数多くの女性が登場しますが、源氏に対して、全く好意を持たない女性は、敵役の大后、弘徽殿女御を除けば、秋好中宮と、夕顔付きの女房、右近の君の二人だけです。源氏を憎んでいる理由は、二人とも同じで、秋好中宮にとって母親、右近の君とって主(あるじ)の夕顔が亡くなった原因は、源氏にあると考えていたからです。源氏物語の中で、源氏は、基本的に女性であれば皆、源氏の事を好きになると言う、そう言う性質を持っていますが、秋好中宮には通用しない訳ですね。そこに、魅力を感じます。源氏の、春と秋、どっちが好きですかと言う問いに対して、秋が好きだと答えた事から、この女性は、秋好中宮と呼ばれます。秋が好きな理由は、母が亡くなったのが秋だから。四季の中で、どれが一番好きですかと言う問いに対して、それに対して答える事は、よくある、たわいのない話なんですが、源氏物語にも似た話はある訳ですね。そこが、魅力的だと思います。貴方は、秋好中宮に対してどう思いますか。教えて頂けたら幸いです。
 ここからは、たわいのない話をします。折角、秋好中宮の話をしているので、この話をさせて下さい。私は、四季の中で、どれが一番好きかと言うと、冬が一番好きです。理由は、気温が低くて、私にとって、過ごし易いからです。今は、羽が入ったダウンジャケットがあるので、それを着ていれば寒くない訳ですね。昔は、ダウンジャケットが無かったので、冬はあまり好きではなかったのですが。冬ならば、どこにでも旅行に行ける気がします。また、冬は、空気が澄んでいて、空が高いのが良いと思います。貴方は、四季の中で、どれが一番好きですか。よければ、理由も教えて頂けたら幸いです。ここまで、読んで下さいまして、ありがとうございました。
出典 渋谷栄一 源氏物語

テーマ : 恋愛小説 - ジャンル : 小説・文学

コメント

彼女は私の一番好きな登場人物♪

秋好中宮は天皇の妻であり、六条御息所の娘でもあり…とても美しい生き方ですよね♪源氏になびかない大人っぽさもかっこいいです。特に秋を選ぶシーンは格別です!!

Re: 彼女は私の一番好きな登場人物♪

私のブログ初めてのコメントに感動しています。秋好中宮は、源氏になびかない数少ない女性。そこに魅力を感じるのは、私も同じ意見ですね。秋好中宮が、秋が好きだと答える時、源氏物語らしい遠回しな表現で言うのですが、そこにも、魅力を感じます。コメントありがとうございました。

こんにちは

こんにちは。楽しく読ませていただきました♪

源氏物語が好きなのですが、わたしの周囲には源氏トークできる友人知人がおらず、自分ひとりでいろいろ想像して楽しんできました。

さてさて、右近って源氏を憎んでいたの? とビックリしました。
わたし、右近は何度か源氏のお相手を勤めたこともある、頭も気立ても良いベテラン女房として源氏に信頼されており、右近も身の程をわきまえて源氏と紫の上に仕えている女性なんだと思ってたからです。

で、玉鬘を探していたのは、もちろん夕顔の娘であるからなのですが、そもそも夕顔の娘は頭中将の娘、だから探し出して源氏の所に連れて行って、右近自身もお付きの筆頭女房として扱ってもらえたら、源氏の家であろうが頭中将の家であろうが、その他大勢の女房のひとりなんていう不安定な立場から抜け出せるって考えたんだろうなぁ、と思っていたんです。

つまり、源氏を憎んでいたのではなく、自分の不安定な立場を恨んでいた、みたいな...

でも、フジヤマさんみたいな解釈もできますよねー。
源氏を憎んでいる。すごく端的でスリリングな指摘♪

こうやって様々な解釈ができるのが源氏物語の面白さなんだなぁ、と嬉しくなりました。

フジヤマさん、楽しいひと時をありがとうございました(^-^)/

Re: こんにちは

返信が遅くなりすみません。なるほど、右近が、気立てが良いベテラン女房で、源氏の信頼も厚かったと言う解釈も素晴らしいと思います。新たな右近の魅力を発見する事が出来ました。ありがとうございます。私の、右近が源氏を恨んでいたと言う解釈は、漫画の長谷川法世さんが描いた源氏物語に、その様に描かれているからです。右近が、源氏に夕顔のゆかりの方を発見した事を報告する場面で、源氏が世話したいと言った時、右近が、亡くなった夕顔様の代わりにお助けすれば罪滅ぼしになりましょうと言います。大和和紀さんの源氏物語「あさきゆめみし」には、このシーンは描かれていません。源氏物語に正しい解釈など存在しません(そもそも原文は主語の省略が多く、姫君は女と表記して名も付けられてなく後世の人が付けたくらいなので)。長々と書いてしまいましたが、人それぞれの右近の人物像があっていいと言う事を言いたかったのです。コメント、ありがとうございました。

No title

楽しいお返事ありがとうございました♪ 
フジヤマさんが紹介してくださった漫画、どちらも読んでいません...ごめんなさい。

わたしが読んだのは、様々な作家(円地文子、田辺聖子、与謝野晶子、橋本治、瀬戸内寂聴その他色々)の現代語訳で、こんなに源氏マニアなのに、超有名な「あさきゆめみし」はお恥ずかしながら未読なんです...
今度読んで見ますね!

さてさて、様々な源氏解釈があるのですが、右近が源氏に玉鬘の存在を伝えたとき、右近は源氏の足をマッサージしていたんです。で、その横には紫の上が寝ている、と。

夕顔の娘が見つかった、と右近が伝えると、源氏は
「まあ、わたしの娘なら美人に決まってるよね☆」
みたいな冗談を言い、紫の上の手前、後で内密で詳しく教えてくれって、言うんです。

すると賢い紫の上は
「わたしは眠くてなーんにも聞こえません」って言って
夜着を耳まで引き被るんです。

当時の源氏は、頭中将の娘の入内に対抗できる娘がいなくて(明石の上の娘は幼すぎた)、「娘がもっといたらなぁ」と思っていたんです。

で、色々思うことがあって、あれこれした挙げ句、冷泉帝に出仕させようとしたら、黒髭大将に強奪されたのは、フジヤマさんもご存知だと思います( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆

ちなみに、後年の玉鬘は、息子と娘のデキの悪さにイラつくヒステリー女みたいになっていくのですが、右近のことは解りません。

黒髭大将の最初の北の方は「物の怪が憑いている」ほどのヒステリー女性として描かれているので、もしかしたら黒髭大将は、無意識に女をイラつかせてヒステリーにしてしまう鈍感男だったのかもしれませんねw

上記の解釈は、おおらかで頼りにはなるのですが、鈍感でズボラな夫と結婚して3年目の、子ナシぐうたら嫁の解釈ですw

このように、人生の経験によってさらに面白くなるところが、何年読んでも飽きないところなんですよね♪

ではでは、どうぞステキなゴールデンウィークをお過ごしくださいね。
(ウチの夫はGW初日はおっちゃんばかりの昆虫採集に行くそうです。朝5時出発だから、そろそろお弁当を作らなくちゃ! メンドクサイです)

Re: ぴいぽんさんへ

 私は、瀬戸内寂聴さんの現代語訳で読みました。選んだ理由は、寂聴さんが有名人だったのと、読み易かったからです。玉蔓が、髭黒大将と結ばれてしまったのは、残念だった思います。正直、私は、髭黒大将と結ばれた後、玉蔓が出産をした事くらいしか把握していません。勉強不足で、すみません。やはり、玉蔓は、夕顔の娘である事と、美人No.1で竹取物語のかぐや姫の様な扱いをされるのが魅力だと思います。紫の上が、初めて玉蔓を知った時、嫉妬を見せる場面は、面白いと思います。源氏も、玉蔓を好きになってしまうのがスリリングでいいと思いますね。コメントありがとうございました。

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